佐賀新聞メディアホールディングス(佐賀市、中尾清一郎社長)は3日、現地決済型ふるさと納税サービス「ふるまちPay」を提供する「バリューデザイン」(東京都、林秀治社長)とパートナー契約を締結した。佐賀県で今秋に開催されるSAGA2024国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会を訪れた人が使って県内を活性化できるよう、県や市町に協力を呼びかける。
ふるさと納税は寄付受け入れ競争の過熱によりサイトを運営する仲介業者に支払う自治体の経費がかさんだことを受け、昨年10月から経費を寄付額の5割以下とするなど返礼品のルールが厳格化している。
今回取り入れるシステムは、地域の店を訪れてスマートフォンで寄付すると、その場で支払いに使える「デジタルクーポン」が返礼品としてもらえる。商品だけでなく飲食や宿泊、体験などのサービスの支払いにも使える。
加盟店は専用サイトにつながるQRコードを用意するだけでよく、利用者はそれをスマートフォンで読み取ってアクセスする。寄付は3千円(デジタルクーポン900円分)から利用できる。自治体は返礼品の発送料、ふるさと納税ポータルサイトの利用料が不要となり、経費圧縮で返礼率が維持できるという。
ふるさと納税を巡っては県内で首長が逮捕される官製談合事件や返礼品の産地偽装が起きており、中尾社長は「ブラックボックスを排除し、なじみがなかった人も気軽に参加できる画期的なシステム。関心の高い自治体に積極的に提案し、国スポに間に合わせる努力をしたい」と述べた。
バリューデザインの楠木康弘取締役副社長は「返礼品ありきではなく地域を選ぶ、ふるさと納税のあるべき姿にする三方良しのサービス。県外の方だけでなく県民も、居住する市町を除く近隣自治体に寄付ができるようになる」と話した。